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美しい表紙で読みたい 桜の樹の下には

美しい表紙で読みたい 桜の樹の下には 電子書籍の購入

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著者名 書籍ジャンル 発行日 クチコミ評判
梶井基次郎 文芸/小説 H26年02月19日 -

書評

■残忍さと美しさの対比

「櫻の樹の下には屍体が埋まってゐる!」なんとも衝撃的な書き出しで始まる梶井基次郎の代表作『桜の木の下には』。書き出しこそ有名であるものの、その話の内容までは知らずにいた。散文詩のような雰囲気を感じさせる作風で、昭和初期の作品であるもののそれほど読みにくいということもなかった。

この話は要約すると、桜という木がこれほどまでに美しく咲き、爛漫と咲いているのには何かしらの裏があるに違いない。その裏というのが、一つ一つの木の下に屍体が埋まっていて、その養分を吸っているからに違いない。という話を聞いた「俺」が谷で薄羽蜻蛉の大量の屍体を見つける。その光景になんとも言えない喜びのようなものを感じ、今まではそこまで美しいとも思わなかった桜をようやく楽しめるようになった、という内容になっている。

詩なので長くはなく、すぐに読み終わるだろうが、「不気味さ」や「残忍さ」を美しいと感じる、表裏一体の人間感覚というものを表現している。もちろん、全てを理解できるというわけではない。

私はこの作品を「美しい表紙で読みたい 桜の樹の下には」で読んだ。この本にはこの作品だけではなく、梶井基次郎の前作に当たる「檸檬」なども収録されており、色々なものを楽しめる。


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